コロナ前と比べると、建築費が約25%上昇している現在、その負担を少しでも軽減するためには、家の面積を圧縮する以外に方法はありません。
そのためには、前回お伝えしたように「なくてもいい場所」を削ると同時に、部屋や収納の広さについて「どれくらいが適切なのか」を把握する必要があります。
こんにちは。SIMPLENOTE 奄美スタジオの嘉川です。
今回は、「適切な広さ」についてお伝えしていきたいと思います。
寝室や子供部屋はもちろん、みんなが広くつくりたいと思っているLDK(リビングダイニングキッチン)についても、必要以上に広くつくれば、その分コストに直結してしまいます。
そこで、LDKについても言及していきます。
✔️ 寝室に広さは必要なのか?
寝室は文字通り「寝るだけの部屋」です。実際、家で過ごす時間の大部分はリビングに費やしていると思います。
また、現在の家は昔の家に比べて収納も充実しており、実家にあるようなタンスやドレッサーを寝室に置く必要はありません。テレビも薄型で壁掛けにできるため、テレビを置く場所も必要ありません。それどころか、そもそもテレビ自体が必要なくなってきているほどです。
そのため、基本的に寝室にはベッドだけを置く前提で広さを考えれば十分です。
ベッドの数とサイズによりますが、セミダブルを2台並べて置いたり、シングルとダブルを並べて置く場合、実は6帖(約10平方メートル)あれば十分です。
✔️ 子供部屋は狭くて十分?
子供部屋に関しても、広くつくる必要はないのではないでしょうか。
その最大の理由は、子供たちはやがて家を出ていき、その部屋が「空き部屋」となるからです。
したがって、思春期に備えて部屋を用意してあげることは大切ですが、そこに多大なコストを割く必要はないでしょう。
個人的には、最大で4.5帖、コストカットを考えるなら3.75帖でも良いと思います。
もし、お子さんが3人以上いて、それぞれに部屋をつくってあげたいと考えているなら、一人当たり3帖というのも検討されてもよいかと思います。
✔️ LDKを広くつくるとどうなる?
最後にLDKについてです。
今や家の中心的な空間であるこのLDKも、広くつくりすぎると不必要にコストを押し上げるだけでなく、別の問題を引き起こしかねません。適切な広さにすることをお勧めします。
では、その「別の問題」とは何でしょうか?
LDKは広くすればするほど開放感が増しますが、同時に空間に余白が生まれ、その余白がダイニングスペースとリビングスペースの間に生じることが多いです。
その余白スペースには、人は何かを置きたくなります。おもちゃ、絵本、ランドセル、教科書、習い事の道具、さらには制服やパジャマなどがその例です。
同様の現象が起こりやすいのが、LDKに隣接してつくられる和室とキッチン前のカウンターです。和室は客間としての機能を果たすことが年に1回あるかないかであることが多く、いつの間にか物置部屋になりがちです。キッチン前カウンターも、料理の受け渡しは一日数分しか使わないにもかかわらず、ちょうど良い高さの物置スペースとなり、生活雑貨が所狭しと並べられるでしょう。
ですので、無駄な余白は物が増える原因となるため、たとえLDKであっても無駄に広くつくらない方が良いと思います。
もちろん、この考え方に反対の方もいらっしゃるでしょうし、予算的に問題がないのであれば、無理に小さくする必要はありません。
これから家を建てる方は、予算面も踏まえつつ、自分にとっての適切な広さについて、今一度ご家族で話し合っていただければと思います。
それじゃあまた♪
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