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設計の原則

一般的に、家の間取りは建てる人の要望によってすべてが決まると考えられがちです。

しかし、たとえ多くの情報をお客様から引き出したとしても、それだけで住みやすい家を作ることはできません。


理由は、要望を引き出せば引き出すほど、それを叶えることだけに注力せざるを得なくなり、その土地に合った間取りを作るのが難しくなってしまうからです。


つまり、本当に住みやすい家を作るためには、周辺環境を考慮し(周りの家との調和を考えながら)要望を伺い、その一つ一つが土地にマッチしているかを確認しながら間取りを作る必要があります。


しかし、要望を聞き過ぎてしまうと、それを実現するだけで手一杯になり、そこまで考える余裕がなくなってしまうのです。


また、要望を聞き過ぎると予算が膨らみ、バランスを取るのが難しくなるという問題も発生します。

要望には「プラス」の要素はあっても、「マイナス」の要素は基本的にないため、予算オーバーになりやすいのです。


おはようございます。SIMPLENOTE 奄美スタジオの嘉川です。


今回は、住みやすい家を予算を抑えながら建てる方法についてお伝えしたいと思います。


ヒアリングでお客様から要望を引き出し過ぎてしまい、図面と予算のバランスが取れなくなってしまう状況に加えて、家づくりには「固定概念」というものが多く存在します。

これが、良い間取り作りの妨げとなることがあるため、この固定概念を打破した設計の知識を身につけていただければと思います。





間取りは土地に合わせて考える


間取りを考える上で、最も大事な要素の一つがこれです。


例えば、日当たりが良い南向きの土地に家を建てる場合、南向きに部屋を作り、大きな窓を設けるのが設計では一般的とされています。


しかし、間取りを考える際に注意しなければならないのは「周りから自分の家がどのように見えるか?」ということです。

南向きの土地は南に道路があることが多く、家の中の様子が外から見えやすくなります。これにより、道行く人や車からも家の中が見えてしまう可能性があります。また、リビングから続くウッドデッキも同様に外から丸見えになることがあります。


これを想像していないと、思っていたのとは違う家が出来上がってしまうかもしれません。レースカーテンだけでは視線を防ぎきれず、遮光カーテンまで閉めることになり、家の中に光が入らなくなってしまうかもしれません。最悪の場合、ウッドデッキを使わなくなることも考えられます。


いかがでしょうか?「言われてみると確かに…」と思われた方も多いかもしれませんが、実際にそんな家に住んでみないと、こうしたことはなかなか想像しにくいものです。


「南向きの土地」には、このようなデメリットがあるなんて、意外に思われたのではないでしょうか?




土地にマッチしない固定概念


また、「部屋は南向きに作るべきだ」という固定概念も、南向きの土地に限らず、他の土地でも設計士を悩ませる要因となります。


日当たりが悪そうな土地に1階の南側にリビングを配置すると、冬場にはほとんど光が入らず、「暗くて寒い」という家になりやすいのです。さらに、大きな窓を設けても隣との距離が近いと、カーテンを開けることができず、室内が暗くなります。


また、南にリビングを配置することで水回りが北側に配置されると、脱衣室が寒く湿気がこもりやすくなり、洗濯物が乾きにくいなどの問題が生じます。


いかがでしょうか?もし自分の家がこんな家になってしまうとしたら...


このように家づくりをする際には、なんとなく当たり前だと受け入れてしまっている固定概念を打破することが、初めの一歩です。

固定概念をなくせば、設計において多くのことを柔軟に考えることができるようになります。


それではまた...

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